第35回 チャン・チェン 単独インタビュー「上野まり子のアジアンスターインタビュー」#4 取材REPORT [アジドラ 上野まり子のアジアンスターインタビュー]
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こんにちは 上野まり子です。
番組では記者会見に引き続き『レッドクリフ PARTⅠ』で孫権役を演じられたチャン・チェン氏への単独インタビューをお届けした。11月1日に公開となり現在興行成績1位を驀進中の「レッドクリフ PARTⅠ」だが私が監督はじめキャストが来日する事を知ったのは直前になってからだった。しかもそのPR担当がいつもSo-net関連俳優の来日の際のPRESS担当会社だと判り、早速単独インタビューの申し込みをした。
もちろん監督や主演であるトニー・レオン氏へのインタビュー申し込みをしたのは言うまでもない。ところが直前になっての申し込みだった為にすでにスケジュールはいっぱいだった。
ところがそこに私にとっては願ってもない朗報が入ってきた。それは当初予定されていなかったチャン・チェン氏の緊急来日の決定だった。では何故チャン・チェン氏だったか。実ははじめにお名前が挙がったときにチャン・チェン氏?と言う感じで失念していたのだがプロフィールを見て即刻彼にインタビューの申し込みをすることにした。それは私が映画「愛の神、エロス」のなかの『若き仕立て屋の恋』に出演をしていた彼を大変注目していたからだ。

孫権役を演じたチャン・チェン氏は8月6日リッツカールトン東京での「レッドクリフ PART Ⅰ」記者会見直後に単独インタビューに応じて下さった。会場は眺めが良い明るいお部屋、爽やかに入ってきたチャン・チェン氏は特に緊張する様子もなくヘア・メークやスタイリストに囲まれ身支度を整えられた。
そして私はと言うと一夜付けの中国語でご挨拶しようと習ったばかりの中国語を繰り返し発音練習。実は韓国人以外のアジア圏の方にインタビューするのはこの時が初めてだった。難しいとひとりごとを言っていると通訳の方が不思議そうな顔をする。そこでこれで良いかどうかと発音のチェックをして頂いた。もちろんきちんと話せるわけではないのでチャン・チェン氏に判る程度で良いのだが、それでもだめ出しを頂き結局最短で判りやすく直して挨拶をすることに。
彼の用意も整い、さあご挨拶、私が“ニーハォ、私は上野まり子です。(中国語で)・・・・・”と言うと、何と彼は“まり子さん。こんにちはチャン・チェンです。どうぞよろしくおねがいします。” カタカナで書かなかったのはそれだけ彼の日本語が流暢だったからだ。“日本語がお出来になるんで良かったわ。” と私、それに対し彼は “少し!” と続けた。
そしていつものようにマイクをセットしたり、カメラの調整をしたりしている間に楽しいおしゃべり。いつもの事だがこの様な時に特別なお話や、プライベートを聞けたりする。
今回は特別にこの前段の部分からお届けしようと思う。挨拶が終わりマイクのセットなどをしているところからである。
まずは私が映画『仕立て屋の恋』がとても素敵だったとお話するとうれしそうに “ ありがとうござます。” と彼。
上野 :日本はどうですか、楽しいですか?
チャン・チェン氏 :楽しいです。楽しかったです。
上野 :日本はお好き?
チャン・チェン氏 :(しばらくあって)好きです。
上野 :プライベイトでは遊びにいらっしゃる事はあるの?
チャン・チェン氏 :ハイ、よく。
上野 :どのあたりにいらっしゃるの?お気に入りは?
チャン・チェン氏 :東京で? 東京では大体恵比寿、中目黒・・。
上野 :随分通な感じね。日本語もそれだけできるし。
チャン・チェン氏 :前に日本語の勉強をしたんです。
おそらく映画「呉清原 極みの棋譜」で日本語を話す役だったため、その時に習われたのかも知れないと想像する。
上野 :私は夕べ中国人の人から今日の為に習ってきたんだけど、さっきの二言だけしか話せなかったわね。
チェン・チェン氏 :う~ん、いっぱい話すことですよ。
上野 :今回はもうどこかに行ったの?
チャン・チェン氏 :今回は時間がなくてまだどこにも行っていません。
上野 :日本人のお友達もいるの?
チャン・チェン氏 :うん。
上野 :じゃあ安心ね。撮影がない時は海外旅行をなさる時が多いの?
チャン・チェン氏 :そうですね。撮影と撮影の間にはいろんなことが忘れられてリラックス出来ます。
上野 :どの国に行くことが多い?
チャン・チェン氏 :時間がない時はタイとかアジアの島が多いです。日本も近いし、漢字がありますから安心です。
上野 :なるほどね。日本語も出来るしね。
ご本人はしきりと暑い暑いとおっしゃる。それもそのはずだライトが煌々と照らしている訳だから。
この会話の半分は日本語でなされた。こうして文字にするとそれほどたいした話はしていないようだがその表情やちょっとしたしぐさに人柄や素顔を見ることが出来る。
さて前置きが長くなったが、インタビュー本題に入ろう。
話題の『レッドクリフ(PARTⅠ)』から孫権役をなさったチャン・チェンさんにお会いします。
上野 :はじめまして。
チャン・チェン氏 :はじめまして、チャンチェンです。よろしくお願いします。
上野 :ただ今の記者会見はいかがでしたか?
チャン・チェン氏 :今回の『レッドクリフ(PARTⅠ)』の記者会見のために沢山の記者の方が集まってくださって大変うれしかったです。
上野 :私はあなたが出演された『若き仕立て屋の恋』でとても注目していましたからお会いできて大変うれしいです。
チャン・チェン氏 :ありがとうございます、ありがとうございます。がんばります。
上野 :前回の公式来日は『呉清原 極みの棋譜』だったと思いますが今回の来日の気分は?
チャン・チェン氏 :毎回来日する度に新しい驚きがあります。もちろんもってくる作品が違いますから一緒に来日するメンバーが違うということもありますが、毎回何かしらの新しい驚きがあります。
上野 :今回の『レッドクリフ (PARTⅠ)』作品のテーマをお話下さい。
チャン・チェン氏 :これは「三国志」という歴史物語の中の「赤壁の戦い」を描いていて、ジョン・ウー監督が想う「赤壁の戦い」とはどのようなものかということを映画化したものです。テーマは前向きで友情、団結する力、愛、平和、そうしたものをメッセージとして持っておりますが、いろいろな見方が出来る楽しめる映画だと思います。
上野 :「三国志」という皆さんご存知のストーリーを演じるにあたってのプレッシャーはありましたか?
チャン・チェン :今回孫権という歴史上実際に存在した人物を演じるのですからプレッシャーはありました。誰でも知っているお話ですから。そのため自分が自信を持って演じられるように十分な準備をして役に臨みました。資料も調べましたし、弓や乗馬なども習い、外見だけではなく内面も含め役作りに取り組みました。
上野 :演じてみて今まで考えていた孫権像と実際に演じてみて違うと思われた点はありますか?
チャン・チェン氏 :とてもありました。
上野 :この映画(PARTⅠ)では全編でアクションシーンが沢山ありましたが、孫権はなかなか戦うシーンが出てきませんね。
チャン・チェン氏 :そうですね。どの登場人物にもそれぞれ重要な役割がありまして、私は前半では戦うシーンはありませんが実は後編では少し出てきます。
(それは楽しみにしていましょう。)
上野 :戦うシーンがあまりない中で虎と戦うシーンが出てきましたが、あのシーンで何かエピソードはありますか?
チャン・チェン氏 :(何か思い出したように笑って)監督が資料を調べて孫権という人物がとても狩りが好きだったことを知り、そのようなシーンを入れたいと希望された事、また虎を狩ることで周悠が孫権に自分にも出来るという自信を付けさせるという重要な場面でした。僕も虎狩りのシーンがあると聞き興奮したのですが虎をコントロールすることは大変難しく危険であるということが判ったために実際には虎と人間の部分は別に撮影した為、僕は虎とは共演していないんです。(笑)
上野 :他の方は草原を馬で颯爽と走るシーンが多くありましたが、あなたもやってみたいと思われませんでしたか?
チャン・チェン氏 :本当はアクションシーンもやってみたかったですが、役柄が孫権でしたからありませんでしたが次回はアクションシーンもやってみたいですね。
上野 :たとえば「呉清原~極みの棋譜」や「仕立て屋の恋」のような静かな映画とアクションシーンが多い作品とご自身はどちらが好きですか?
チャン・チェン氏 :どちらも好きです。せりふ劇にはせりふ劇の、アクションにはアクションの醍醐味がありますのでそれぞれに面白さがあります。僕はどちらかと言うとアクションの作品が少ないのでこれからはチャレンジして経験も積んでいきいろいろの焼くが出来る役者になりたいと思っています。
上野 :「レッドクリフ PARTⅠ」の中のご自身のシーンで最もお勧めのシーンは?
チャン・チェン氏 :全部です。この映画はものすごくスケールが大きい作品でスタッフもキャストも大勢いて全員が精一杯努力して一番良いものを創ろうと団結してがんばりました。そのため僕も最大限のベストを尽くしてがんばりましたからどのシーンも好きです。
本当にいつくしんでいる感じだった。
上野 :14歳でデビューされてから長いキャリアになりましたが、今までの作品の中で最も強く印象に残っている作品は?
チャン・チェン氏 :全部ですね。どの作品も・・・。(ややあって)最近の作品で言えばこの「レッドクリフ (PART Ⅰ)」で、この作品は今までの僕のイメージとはだいぶ違います。また現代劇では「仕立て屋の恋」です。
ここで上野、またこの「仕立て屋の恋」大好き!というと嬉しそうな笑顔を見せてくれた。)
上野 :お父様も有名な俳優さんですが、影響を受けたこと、また演技についてお話になることはありますか?
チャン・チェン氏 :いえ!(即答)こんなことをしたよ!と報告はしますが演技について語るのは気まずくて。お互いに批判することはあります。
終始笑顔で話されたことから察するにその和やかな父子関係を感じた。
上野 :アジアの代表的な監督がこぞってあなたを起用したいと望んでいますがご自身の俳優としても魅力はなんだと思いますか?
チャン・チェン氏 :(これも即答)わかりません! それは監督達に訊いてください。運が良かったんじゃないかな。
上野 :俳優として一番大切だと思っていることは?
チャン・チェン氏 :想像力。想像力がないと演技に幅が出ません。他の人が見ても飽きると思いますし、自分自身も飽きてしまうと思います。
上野 :アジアドラマチックTV ★ so-netをご覧の皆様にメッセージをお願いします。
チャン・チェン氏 :アジアドラマチックTV so-netをご覧の皆様こんにちはチャン・チェンで~す。今回「レッドクリフ(PART Ⅰ)」の為に来ました。是非見てください。(ここは全て日本語で話された。)
上野 :ありがとうございました。
チャン・チェン氏 :ありがとう、Thank you very mach .
続いていつものようにフォトセッションとなった。
単独ショットと握手のシーンを撮影させて頂いた。
上野 :ありがとうございました。また会いましょう。
チャン・チェン氏 :えぇ、また。
こうしてチャン・チェン氏への単独インタビューは終了した。
では印象を一言。
以前にも申し上げたが、私は長くキャスティングという仕事をしてきた関係ですばやく分析する癖がついており起用と却下がはっきりしている。チャン・チェン氏について言えば速起用と決断を下す。思いがけず巡ってきたチャン・チェン氏へのインタビュー、まずは大好きで映画館で観て、またDVDを借りてきては観ていた『仕立て屋の恋』の話をすると とてもうれしそうな顔をなさった。
終始和やかに進んだインタビューだが8月6日の時点では映画公開が11月1日と ずっと先に予定されていた。その為どのあたりまで訊いてよいか試行錯誤をした。あまり表面的では面白くないし、かと言ってネタバレになるのもまずい、しかし公開となって映画をご覧になった皆さんが“あぁ、このことを言っていたのね。”ということも一つや二つくらいは欲しい。どんな書物で人物像を作り上げていったか、そして思い描いていた孫権像と実際に演じてみた孫権像との違いなど、もう少し深く訊いてみたかったと反省しきりだ。
彼は私が話す日本語の質問をほとんどお解りになるようだったが正式なインタビューの時には最後のメッセージ以外は日本語はお使いにならなかった。またお若いにも関わらずとても思慮深く、その落ち着いた雰囲気にとても魅了された。また笑顔を絶やさずお答えいただいたことに大変感謝している。
フォトセッションでは何処に立てば良いかと“ここ!”とこれもまた日本語、自然に出てくる日本語にふと日本人ではないかと錯覚を覚えるほどだった。
彼は良く日本にいらっしゃるそうだ。いきつけの場所は恵比寿や代官山とおっしゃっているのでいつかそのあたりですれ違うこともあるかも知れない。決してオーラがないと言っているわけではなく、それだけ違和感がなく日本の風景に溶け込んでいるだろうと思われるからだ。きっとどこかのお店でオーダーをする時にもその流暢な日本語でなさるだろう。
さて公開となり興行成績5週連続第1位を驀進している『レッドクリフ PARTⅠ』、日本で公開されたアジア映画の中でこれまで興収記録の1位だった『HERO/英雄』(2003年公開、累計興収40億2600万円)を超え、公開6週目にしてオープニング記録樹立。12月10日現在 興行収入:4.162.566.550円、動員数累計:3.395.618人と発表されており、本年度洋画No.1となって現在大ヒット上映中だ。
また『PARTⅠ』に続く『PARTⅡ』も2009年4月全国ロードショーが決定した。
そして前回もご紹介したがこの映画『レッドクリフ PARTⅠ』で主題歌を歌ったalanが『PARTⅡ』において全世界主題歌を担当することとなり再びそのすばらしい歌声を披露する。
ジョン・ウー監督は、「alanの歌声はとても美しく上品で人の心にどんと響く。『PART Ⅰ』ではヒーローの不屈な精神及び感情を上手く表現し聴く人を感動させました。『PART Ⅱ』では登場人物のロマンチックな感情を表現したかったので、その感情は彼女の歌声でしか表現できないと思い引き続き依頼しました。
「赤壁の戦い」では周瑜のリーダーシップと諸葛孔明の聡明さが歴史上最大の戦いの引き金となった。時代は絶え間なく変わり行くが長江は何千年も変わらずそこにあり、時代時代のヒーローたちを見届けている。最も大切なのは友情であり、時代や場所が変わっても深い友情が存在する。この歌詞や音楽に悲壮感が漂っているようだが深いところでは別れても別れられない温かい友情、平和を表現していて、それは映画のテーマと重なる。岩代太郎のロマンチックな曲風とalanの清純な歌声を賞美したい。」とコメントしている。
そしてalan自身は「『Part Ⅱ』の全世界主題歌を歌わせていただき、赤壁の戦いの完結編に関わることができて大変嬉しく思っています。今回の主題歌はわたしにとっても新しいチャレンジでした。高いキーや今まで皆さんが聴いたことがない歌声、全て自分にとっても新鮮な感じです。監督からのアドバイスどおり一羽の鳩になった気持ちで大空を舞うイメージで作られています。是非ぜひ聴いていただきたいです。」とコメントしている。
日本語と中国語で歌われる主題歌の概要をご紹介しておこう。
日文歌名:「久遠の河(くおんのかわ)」作詞:松井五郎(日本語詞)/中文歌名「赤壁 ~大江東去~」李焯雄(中国語詞)
作曲:岩代太郎 /編曲:中野雄太
ここで『レッドクリフ PARTⅡ』の新しいポスターのビジュアルも公表となったのでご紹介しておこう。



【PartI】
『レッドクリフ PartⅠ』11月1日(土)より日劇1 ほか全国超拡大ロードショー
【PartII】
『レッドクリフ PartII』2009年4月全国ロードショー
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、リン・チーリン
配給:東宝東和/エイベックス・エンタテインメント
音楽:岩代太郎 主題歌:alan「久遠の河」
アメリカ・中国・日本・台湾・韓国/35mm/シネスコサイズ/ドルビーSRD
公式サイト:http://redcliff.jp/
まだご覧になっていない方は是非劇場に足を運んでいただきたい。チャン・チェンという俳優がどのように歴史上の人物「孫権」を演じたか、こちらにもご注目いただくと共に、皆さんが今まで描いていた「三国志 赤壁の戦い」とジョン・ウー監督が描く「三国志 赤壁の戦い」の違いを実感していただくのも面白い見方の一つだろう。
次回の番組第36回 取材REPORTはドラマ「新・上海グランド」主演ホァン・シャオミン氏をお届けします。
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必ず観ます。^^;
by ソニックマイヅル (2008-12-14 10:25)
ソニックマイヅル様
ご訪問ありがとうございます。
記事が長かったので最後までお読みになるのは大変でしたでしょ!
飽きませんでしたか?
スケールの大きさをご覧になるには
劇場が良いと思います。
また、黒澤明監督への想いも解ると思います。
お楽しみ下さい。
by 上野まり子 (2008-12-14 12:40)
いいなぁ〜まり子さんがうらやましい〜
by eyes (2008-12-14 23:03)
eyes様
ご訪問ありがとうございました。
チャン・チェン氏
なかなキュートでした。
とても良い笑顔なさるでしょ!
このような表情は
さすがに収録の合間での撮影では
捕らえることが出来ませんので
映像からチャプチャーして
お届けしました。
またお越し下さい。
by 上野まり子 (2008-12-15 02:26)